税務調査官は
何を見ている?
15年する側にいた私が、リアルを話します
税務調査は、なぜあなたのところに来るのか。
税務署から連絡が来て、
そんな不安に襲われ、必死にスマホで検索している方もいると思います。
税務調査が来たらどうなるのか…その答えを私は知っています。
私は10年以上、国税の現場で「税務調査をする側」にいました。
今はその経験を生かし、税務調査で困っている方の味方として、税務署への対応を行っています。
今回は、調査官が何を考え、何を調べに来るのか。
そして、今から何をすればよいのかをお伝えします。
先に、大切なことを一つ。
ただし、「脱税が見つかっている」と決まったわけでもありません。
準備と対応次第で、何百万円もの税金を払う結果になることもあれば、何も払わずに終わることもあります。
では、税務調査では何が行われ、結果を分けるポイントはどこにあるのか。順番に見ていきましょう。

調査官には、1年間に何件の調査を行い、どれだけ申告漏れを見つけたかという成果が求められます。
そのため、「この人を調べれば、追加で納める税金が見つかりそうだ」と目をつけたところから優先して調査に入ります。
実際に、税務調査を受けた人の10件に8件以上で、申告漏れや間違いが見つかっています。
それほど高い割合で、追加の税金が発生しているのです。
最新のデータがこちらです。
調査された人の8割以上はお金が取られる
83.5%
個人の実地調査 46,896件のうち
申告漏れの指摘 39,178件
取られる金額は平均約300万円
約300万円
1件あたりの追徴額(特別・一般調査)
法人なら約630万円
出どころ:国税庁 令和6事務年度 所得税・法人税の調査状況
つまり、税務署から連絡が来た時点で、すでに何らかの手がかりを持っている可能性が高いのです。
調査官は連絡する前に、過去3〜5年分の申告書を並べて見ています。
そこで「ちょっとおかしいな」と感じるところがあると、「ここからお金が取れるんじゃないか」と目をつけます。
そんな場所を、ぶっちゃけてお伝えします。
01
売上が急に増えた。逆に急に減った。売上は変わらないのに、利益だけが大きく減った。
売上が毎年1,000万円の少し手前で止まっている。数年分の数字を並べると、怪しい動きはすぐに分かります。
02
売上のわりに交際費が多い。
毎月まったく同じ金額の経費がある。
自宅の家賃や車の費用を、すべて経費にしている。
こういった経費は、同じ業種の人と比べると浮いて見えるので、調査官はそこに目をつけます。
03
取引先から集めた情報と申告した売上が合わない。銀行口座への入金額と申告した売上に差がある。
税務署は申告書だけを見ているのではなく、取引先や銀行から集めた情報とも照らし合わせています。
04
現金でのやり取りが多いバーやスナック、キャバクラ。経営コンサルタント、動画・ライブ配信、ブリーダー、システムエンジニアなども、申告漏れがないか重点的に見られやすい業種です。
税務署は、申告漏れが多い業種や売上の流れをつかみにくい業種に注目しています。

調査官は、こうした点に目をつけてから連絡してきます。
調査当日は、何かを探しに来るのではありません。
あらかじめ「怪しい」と見ている場所を、確かめに来るのです。
税理士なら、税務署から守ってくれる。
そう思っている方も多いはずです。
ところが調査官から見ると、税理士もまた「カモ」に見えることがあります。
理由は二つあります。
01
調査官に強く反論すると「自分や自分のお客様まで目をつけられるのではないか」という恐怖のあまり、顧問税理士なのに調査の途中で逃げ出してしまう税理士もいます。
02
税務調査の経験が少ないと、どこで反論し、どこまで主張してよいのか判断できません。そのため、調査官の言うとおりに進めてしまうことが多々あります。
その結果、本来は事業者の味方である税理士が、税務署の言い分をそのまま伝えるだけになってしまう。
調査官から見れば、これほど楽な相手はいません。
だから「カモ」なのです。
実は、これは決して珍しいことではありません。
調査官の指摘に対応できない
指摘されても反論できず、そのまま認めるしかない状態。追加の税金も、言われるままに取られてしまいます。
調査官のペースで進んでしまう
どこまで反論してよいか分からず、指摘をそのまま受け入れる状態。結局、事業者だけで対応するのと変わらない金額を取られてしまいます。
だから調査官は、今回立ち会うのが「普通の税理士なのか、それとも税務署で税務調査をしていた税理士なのか」を、とても気にしています。
ここまでの話で、税務調査のリアルが少し見えてきたと思います。
すでに税務署から「調査に伺います」と連絡が来ている方もいるかもしれません。
そういう方は、まずは自分で対応しないでください。
しつこく税務署から電話が来る際は、「調査日は確認してからお返事しますので、少しお待ちください」と伝え、担当者の部署と名前、連絡先を聞いて切りましょう。
自分で詳しく説明したり、書類を出したり、調査の日程を決めたりする前に、税務調査に強い税理士を探してください。
これだけで、この先の人生が本当に大きく変わる可能性があります。
できれば、税務署で実際に税務調査をしていた税理士です。
一般的な税理士と、調査する側の考え方や進め方を知っている税理士とでは、対応できることも強さもまったく違います。
それが、今のあなたにできる、いちばん良い手だと思います。

伝わりません。今は皆さんの側に立つ税理士です。話した内容が税務署に行くことはありません。
基本的にはしません。事実を確かめるのが仕事だからです。ただ、詰められたと感じる場面はあります。そこで余計な一言が出ます。
はい。そういう方の話を一番よく聞いています。責めることはしません。
大丈夫です。調査の立会いだけを別の税理士に頼む形は珍しくありません。顧問の先生にどう伝えるかも一緒に考えます。
電話相談だけでも構いません。
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